【2026年版】実家を売却する方法6ステップ|相続・税金で損しない手順
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【2026年版】実家を売却する方法6ステップ|相続・税金で損しない手順

実家の売却は、「①相続登記で名義を整える→②売却方針を決める→③複数社へ査定を依頼→④媒介契約→⑤売却活動・売買契約→⑥決済・引き渡し」という6ステップが基本の進め方です。親から相続した家は、まず名義を相続人へ移す相続登記を済ませないと売り出せません。その後、仲介と買取のどちらで売るかを決め、相場を調べてから不動産会社を選びます。さらに売却益が出た場合は、売った翌年に確定申告が必要です。

税制や控除には期限や細かな要件があり、判断を誤ると数百万円単位で手取りが変わることもあります。この記事では、親の相続や実家整理に直面する方が迷わず進められるよう、準備から税金まで順を追って丁寧に解説します。なお税制・法律は改正されるため、適用の可否は最新の一次情報と税理士・司法書士など専門家への確認を前提にお読みください。

結論|実家売却は「名義整理→査定→売却→確定申告」の6ステップ

実家の売却は、相続登記で名義を整え、複数社の査定を経て媒介契約を結び、売却・決済・確定申告まで進める6ステップが基本の流れです。

相続した実家を売る場合、自分名義の家を売るときと違い、最初に「相続登記(名義変更)」という関門があります。2024年4月から相続登記が義務化され、放置すると過料の対象になるとされています。まずは全体像をつかみましょう。

ステップ主な作業目安期間
①名義・相続の整理遺産分割協議・相続登記1〜3か月
②売却方針の決定仲介か買取か・希望価格・期限1〜2週間
③査定・会社選び複数社へ査定を依頼2〜4週間
④媒介契約・売り出し契約・販売活動・内見対応1〜6か月
⑤売買契約価格交渉・契約・手付金2週間〜1か月
⑥決済・引き渡し残代金受領・登記移転・鍵渡し1〜2か月

全体の所要期間は、相続手続きを含めると半年〜1年程度が目安です。買取を使えば数週間に短縮できる場合もありますが、その分、売却価格は下がる傾向があります。そして売却益が出れば、翌年に確定申告(2月16日〜3月15日)を行います。

ポイント

まず決めるべきは「いつまでに・いくらで・誰の名義で売るか」の3点です。ここが定まると、仲介か買取か、どの会社に頼むかの判断がぶれにくくなります。

補足

相続人が複数いる場合は、売る前に「誰が相続し、売却代金をどう分けるか」を遺産分割協議で決めておく必要があります。詳しくは後述します。

そもそも「実家の売却」とは?相続が絡む3つの特徴

そもそも「実家の売却」とは?相続が絡む3つの特徴

実家の売却とは、多くの場合「親から相続した居住用不動産を相続人が手放す手続き」を指し、通常の住宅売却に相続・名義・税金の論点が加わる点が特徴です。

自分が住む家を売るのと、親の実家を売るのは似て非なるものです。実家売却には、主に次の3つの特徴があります。

  1. 名義が親のままで、そのままでは売れない(相続登記が必要)
  2. 相続人が複数いると、原則として全員の合意がないと売れない
  3. 「空き家になった実家」ならではの税優遇や注意点がある

特に税金面では、相続した空き家を一定の要件で売ると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例(被相続人の居住用財産(空き家)の特別控除)が用意されています。ただし1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた旧耐震の建物であることなど要件が細かく、適用できるかは個別の判断になります。

売り方は大きく次の2通りです。状況に応じて選びます。

比較項目仲介買取
売却価格相場に近い水準を狙える相場の6〜8割が目安とされる
期間数か月〜数日〜数週間
内見対応必要ほぼ不要
向くケース時間をかけても高く売りたい早く確実に手放したい

また、関係する税金は「譲渡所得税(売却益にかかる)」が中心で、所有期間や特例の有無で大きく変わります。固定資産税や、相続時の相続税も論点になります。

注意

相続登記は2024年4月1日から義務化され、正当な理由なく相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になる場合があるとされています。売却予定の有無にかかわらず、早めの登記が安心です。

始める前の準備・必要なもの|書類と相続人の合意

売却を始める前に、相続関係を確定させる書類、不動産の権利・現況を示す書類、そして相続人全員の合意の3点をそろえておくと、その後の手続きが滞りなく進みます。

準備不足のまま査定に進むと、媒介契約や決済の直前で書類が足りず、引き渡しが遅れることがあります。相続が絡む場合に最低限そろえたいものを整理します。

  • 被相続人(親)の出生から死亡までの戸籍謄本一式
  • 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(相続人が複数の場合)
  • 相続登記後の登記事項証明書(名義変更の証明)
  • 登記識別情報(権利証)または登記済証
  • 固定資産税の納税通知書・評価証明書
  • 土地の測量図・境界確認書
  • 建物の間取り図、建築確認済証・検査済証
  • 親が購入した際の売買契約書(取得費の証明に重要)

購入時の売買契約書は、譲渡所得税を計算する「取得費」の証明に直結します。見つからないと売却価格の5%しか取得費に計上できず、税負担が増えることがあるため、家の中をよく探す価値があります。建築時のパンフレットや住宅ローンの書類が手がかりになることもあります。

あわせて、売り出す前に相場を自分でも調べておくと、査定額の妥当性を判断しやすくなります。国土交通省の「不動産情報ライブラリ(土地総合情報システム)」や、レインズ・マーケット・インフォメーションでは、近隣の成約事例を無料で確認できます。

ポイント

相続人が複数で「売って現金を分ける」場合は、遺産分割協議書に「換価分割」と明記し、代表者(または共有名義)で売却する方法が一般的です。誰が売主になるかを先に決めておくと、決済時に混乱しません。

実家を売却する方法6ステップを順番に詳しく解説

実家売却は、①相続登記→②売却方針の決定→③査定と会社選び→④媒介契約と売り出し→⑤売買契約→⑥決済・引き渡しの順に進め、売却益が出れば翌年に確定申告を行います。

ここからは各ステップの中身を具体的に見ていきます。

  1. 相続登記で名義を移す

遺産分割協議で相続人を確定し、法務局で相続登記を申請します。司法書士に依頼するのが一般的で、報酬と登録免許税を合わせて数万円〜十数万円が目安とされています。

  1. 売却方針を決める

「いつまでに・いくらで・仲介か買取か」を決めます。古い住宅ローンが残っていないか、抵当権が設定されたままでないかも確認します。

  1. 査定を複数社に依頼する

まず簡易な机上査定で各社の価格感をつかみ、有力な会社に訪問査定を依頼します。1社だけでなく3社前後を比較すると、相場観と各社の販売力が見えてきます。

  1. 媒介契約を結び売り出す

一般・専任・専属専任の3種から選びます。販売活動が始まったら、内見に備えて掃除・換気・最低限の補修をしておきます。

  1. 価格交渉と売買契約

購入希望者から「買付申込書」が入り、価格・引き渡し時期を調整して売買契約を締結します。契約時に手付金を受け取ります。

  1. 決済・引き渡し

残代金の受領と同時に、所有権移転登記や(必要なら)抵当権抹消を行い、鍵を引き渡します。

媒介契約は次の3種類があり、複数社に頼めるか、報告頻度がどうかで違います。

種類複数社契約自己発見取引報告義務レインズ登録
一般媒介任意任意
専任媒介不可2週間に1回以上7日以内
専属専任媒介不可不可1週間に1回以上5日以内

売却にかかる主な費用の目安も押さえておきましょう。

費用目安
仲介手数料売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超の部分)
印紙税1〜3万円程度(売買価格による)
抵当権抹消・司法書士報酬1〜5万円程度
相続登記費用数万円〜十数万円
測量・解体・清掃費数十万円〜(必要な場合)
まとめ

6ステップの中でも、最初の「相続登記」と最後の「確定申告」は見落としやすい関門です。中間の売却活動だけでなく、入口と出口の手続きまで含めて計画を立てましょう。

つまずきやすいポイントと対処法

実家売却でつまずきやすいのは、相続人間の意見の食い違い、境界・測量の未確定、家財の片付けの3点で、いずれも早めの着手で解消しやすくなります。

「売れない」「進まない」と悩む原因の多くは、物件そのものより手続き面にあります。代表的なつまずきと対処法を表にまとめます。

つまずきよくある原因対処法
相続人がまとまらない分け方・価格で対立早期に協議し、司法書士など第三者を交える
境界が不明古い土地で測量未実施土地家屋調査士に確定測量を依頼
家財が片付かない量が多く時間がかかる遺品整理業者や自治体の制度を活用
価格が下がらず売れない相場とのズレ査定根拠を確認し価格を見直す
取得費が分からない契約書の紛失概算取得費(5%)や代替資料を検討

特に多いのが、家財の片付けで手が止まるケースです。思い出の品が多く、心理的にも進めづらいものですが、売却スケジュールから逆算して着手日を決めるのが現実的です。

また、古家を取り壊して更地で売るか、古家付き土地として売るかの判断も悩みどころです。解体費用は木造一戸建てで100万円以上かかることもあり、更地にしたほうが必ず高く売れるとは限りません。買主が住宅利用を想定するか、土地として再活用するかで最適解は変わります。

注意

共有名義のまま放置すると、相続人の誰か一人でも反対・連絡不能になった時点で売却が止まります。さらに次の相続が起きると権利関係が複雑化するため、早めの名義整理が大切とされています。

効率化・応用のコツ|高く・早く売るために

実家を有利に売るコツは、一括査定で複数社を比較し、売り出しのタイミングと見せ方を整え、使える税の特例を早めに確認することに集約されます。

少しの工夫で、売却価格や期間は変わってきます。実践しやすいコツを紹介します。

  • 複数社を比較する: 一括査定サービスや個別依頼で3社前後の査定を取り、価格・根拠・担当者の対応を見比べます。安いだけ・高いだけの会社を避ける目が養われます。
  • 売り出し時期を意識する: 一般に転居需要が高まる時期は問い合わせが増える傾向があるとされ、繁忙期を意識した売り出しも一案です。
  • 第一印象を整える: 写真映えする清掃・換気・最低限の補修は、内見数に影響します。明るく片付いた印象が成約を後押しします。
  • 古家付きか更地かを試算で比べる: 安易な解体は、固定資産税の住宅用地特例が外れて翌年の税額が上がる場合があるため、解体費と売れ行きの両面で判断します。
  • 税の特例を先に確認する: 相続空き家の3,000万円控除や取得費加算の特例は、売却の「前」に要件を確認しておくと、売り方の判断に活かせます。
ポイント

相続税を納めた方は、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売ると、納めた相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」を使える場合があります。期限があるため早めの検討が有効です。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例は、相続の開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡することが要件とされています。(国税庁の解説をもとに要約)

注意点・リスク|税金・契約不適合責任・期限

実家売却で特に注意したいのは、譲渡所得税の計算、契約後に発覚する不具合(契約不適合責任)、そして各種特例の期限で、いずれも事前確認で大きなトラブルを避けられます。

ここはお金と法律に直結する、最も慎重に扱うべき部分です。譲渡所得税は次の式で計算され、税率は所有期間で変わります。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除

区分所有期間税率(目安)
短期譲渡所得5年以下約39.63%
長期譲渡所得5年超約20.315%

相続の場合、所有期間は親(被相続人)が取得した日から数えるため、長期譲渡所得になるケースが多いとされています。主な注意点は次のとおりです。

  • 契約不適合責任: 引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害などが見つかると、売主が修補や減額に応じる責任を問われることがあります。古い実家では、状況を正直に告知し、契約書で責任範囲を明確に取り決めることが重要です。
  • 特例の期限: 相続空き家の3,000万円控除は「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売る必要があるなど、期限があります。
  • 確定申告の漏れ: 利益が出たのに申告しないと、加算税・延滞税の対象になることがあります。特例の適用も確定申告が条件です。
  • 名義・共有の問題: 前述のとおり、共有のままだと意思決定が滞ります。
注意

税額の試算や特例の適用可否は、物件の建築年・相続の経緯・売却時期などで結論が変わります。本記事は一般的な情報であり、実際の判断は税理士・司法書士など専門家への相談を前提にしてください。誤った自己判断は、過大な納税や特例の取りこぼしにつながるおそれがあります。

具体例・ケーススタディ|数字で見る実家売却

ここでは、築45年の木造実家を相続し1,500万円で売却したケースを例に、手取りがどう変わるかを具体的な数字で見ていきます。あくまで概算の試算例です。

前提は次のとおりです。

  • 親が長年住んでいた木造一戸建て(旧耐震)を相続
  • 相続人は子2人、換価分割で売却
  • 売却価格は1,500万円、購入時の契約書は見つからず

費用と税金の試算(概算)は以下のようになります。

項目金額(概算)
売却価格1,500万円
概算取得費(5%)75万円
譲渡費用(仲介手数料約56万円+諸費用)約65万円
譲渡所得約1,360万円

このとき、相続空き家の3,000万円特別控除が適用できれば、課税対象の譲渡所得は0円となり、譲渡所得税はかからない計算です。一方、控除が使えない場合は、長期譲渡所得として約1,360万円×20.315%≒約276万円の税負担が生じる試算になります。

この差は約276万円。特例が使えるかどうかで、手取りが大きく変わることが分かります。だからこそ、売り出す前に要件を確認する意味があります。

なお、購入時の契約書が見つかり取得費を実額で計上できれば、譲渡所得そのものが小さくなり税負担も下がります。また、相続人がもめて売却が遅れ、特例の期限(相続開始から3年など)を過ぎてしまうと、本来使えたはずの控除を逃すおそれもあります。

補足

同じ家でも、耐震改修してから売るか、取り壊して更地で売るかで、特例の適用や費用が変わります。複数の売り方を試算し、手取りベースで比較するのがおすすめです。判断に迷う場合は、試算の前提を専門家に確認すると安心です。

よくある質問

Q1. 実家の売却にはどのくらいの期間がかかりますか? A. 相続手続きを含めると半年〜1年程度が目安です。相続登記に1〜3か月、売却活動に1〜6か月、契約から決済までに1〜2か月程度かかるのが一般的です。早く手放したい場合は、価格は下がりやすいものの買取という選択肢もあります。

Q2. 相続登記をしないと売却できませんか? A. はい、原則として名義を相続人に移さないと売却できません。2024年4月から相続登記は義務化され、相続を知った日から3年以内の登記が求められています。売却予定があるなら、早めに済ませておくと手続きがスムーズです。

Q3. 取得費が分かる書類が見つかりません。どうすればよいですか? A. 売却価格の5%を概算取得費として計上できますが、税負担が増えやすい点に注意が必要です。購入時のパンフレットや住宅ローンの返済予定表など、代替資料が認められる場合もあるため、まずは税理士に相談することをおすすめします。

Q4. 仲介と買取はどちらを選ぶべきですか? A. 時間をかけても高く売りたいなら仲介、早く確実に手放したいなら買取が向きます。買取価格は相場の6〜8割が目安とされるため、急ぐ事情がなければ、まず仲介で売り出して反応を見る方法も検討できます。

Q5. 売却益が出たら確定申告は必要ですか? A. 譲渡所得が出た場合や、3,000万円控除などの特例を使う場合は確定申告が必要です。申告は売却した翌年の2月16日〜3月15日が原則です。特例は申告して初めて適用されるため、利益が出ていなくても忘れずに手続きしましょう。

本記事は2026年6月時点の一般的な情報をもとに作成しています。税制・法律は改正される可能性があるため、実際の手続きや税額の判断は、国税庁・法務局などの一次情報を確認のうえ、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。(最終確認日:2026年6月8日)